脳梗塞患者の介護について
私と家族は、20年間父親の介護をしました。
こうして文字で書くと、たった1行ですが、本当に長い年月を家族で一生懸命介護しました。
父親が倒れたのは、私が高校生の時でした。私の家は農家だったのですが、仕事中に脳梗塞で倒れました。母は家にいたのですが、父は畑にいたので、発見するまでに結構な時間があり、右半身に重い麻痺が残ってしまいました。父が58歳の時でした。
病院に入院し、手術もしてもらいましたが、麻痺と言語障害が残りました。
その当時はまだ血管年齢などの話題もメディアで取り上げられていませんでしたし、脳梗塞の知識は本当に乏しかったです。もともと父は高血圧だったので、それが原因だったと思います。
病院には４ヶ月ほどしかいることができず、特にこれ以上治療することもできないので、薬をもらい、家でリハビリすることになりました。
言葉が話せないので、50音が書いてあるボードを指さして、意志の疎通をはかろうとしましたが、その意味がわからないようでした。
こちらも一生懸命話しかけるのですが、言っていることの半分位を理解しているようで、分かることはジェスチャーで返していました。
とにかく意思の疎通が取れないことが、本当に苦労しました。父も言いたいことがあるので、一生懸命話してくるのですが、私や母が「こういうことかな？」と言っても違うことが多く、怒ってしまったり泣いてしまったりしました。
晩年は寝たきりでしたが、10年位は庭を杖をついて歩いたり、トイレも介助をされながら自分でしていました。後の10年は寝たきりになってしまったので、経管栄養やオムツの交換、寝返りなど、家族交代で本当に大変でした。寝たきりになってしまうと、本当に100％介護になってしまうので、脳梗塞でリハビリされている方やご家族は、何とか寝たきりにだけはならないようにすることが大切だと思います。
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